2016年10月30日日曜日

数値化された時が数直線上を動く

 もともと、というか常識的にというか、〝時〟が動くものであるのは、そもそも基準となった〝太陽〟が動くことで、〝時〟を定めたからだろう。
 つまりおそらくは原初、〝時〟というのは〝太陽〟の動きであり、それはもとより「動く」ものであった。
 けれども実際に動いているのは、〝太陽〟であって、それは、空間的な変化の相に相違ない。
 ちゃう。現在では、実際に動いているのは〝地球〟で、それは「自転」という回転なのだ。

 時を経て技術力により〝時〟は、文字盤上を無限回帰する時計の〝針〟の回転運動で定められるようになった。
 デジタル時計になって、原初に空間の変化の相であった〝時〟は、完全に数値化された。
 それでもあいかわらず、〝時〟は動き続ける。いまでは数字となって。
 そうやって、〝時〟はいつだって「動く」ものなのだと知られる。

 この、大前提は、本当なのだろうか?
――〈現在(いま)〉も同じように、仮想の数直線上を動き続けている。

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