――という、現実がある。
いまここに、〝文字〟という「記号」が何であるかを考えてみる。
とりあえず、アルファベットの大文字を例にとって考えることにする。
もし、〝文字〟が〝 A 〟であるならば、〝文字〟は〝 B 〟ではない。
すなわち〝文字〟が〝 A 〟であると同時に〝 B 〟であることはできない。
〝文字〟が〝 A 〟であると同時に〝 B 〟であるというのは、矛盾している。
しかしながら実際には、現実として、〝 A 〟は〝文字〟であり、同時に〝 B 〟も〝文字〟である。
おそらく。いまこの〝文字〟は、数学的には、未知数〝 x 〟であると、仮定されている。
そこで、その〝文字〟を記号としての未知数〝 x 〟で表現する。
未知数〝 x 〟が〝 A 〟であると同時に〝 B 〟であることはできない。
しかしながら、実際には現実として、〝 A 〟は〝文字〟であり、同時に〝 B 〟も〝文字〟であった。
ようするに、事実としては、未知数〝 x 〟は〝 A 〟であると同時に〝 B 〟でもあるので、したがって、現実に適用して考えるならば――。
最初の記号としての、未知数〝 x 〟は〝文字〟ではなく、その〝(限定された)文字〟――〝その文字〟――と、するべきであったろう。
〝その 〔ひとつの〕 文字〟が〝 A 〟であると同時に〝 B 〟であることはできない。
しかしながら、〝 A 〟は〝文字〟であり、同時に〝 B 〟も〝文字〟である。
この場合、未知数〝 x 〟は〝 A 〟であると同時に〝 B 〟ともなる。
現実に、〝文字〟は〝 A 〟であると同時に〝 B 〟でもあり〝 C 〟などでもある。
つまりは、未知数〝 x 〟の設定の曖昧さ に、問題の所在があったのであろう。
〝文字〟なのか、その〝(限定された)文字〟すなわち〝その文字〟なのか。
〝 A 〟は〝 A~Z 〟という集まりの要素ではあるが、全体ではない。
また〝 A 〟がなければ〝 A~Z 〟という集まりは成立しない。
現実には、このことに、矛盾している形跡はどこにも、一向に見受けられない。
結局はただ、最初の設定で、厳密さを考慮するか、それとも考慮しないか、だけの話であったのか。
曖昧な概念は、容易に〈矛盾〉と馴れ親しむのだろう。
蛇足ではあろうが――ここで少し丁寧には――ありましょうが、以上の解釈及び説明と〝 A 〟がそのまま〝 B 〟である世界観とは異なる、ものです。
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