そうプログラムされている。
それが協力的な態度を引き出すコツなのだ。
見栄は禁物だ。自滅への道しるべなのだから。
―― だがしかし。
相手がいじめっ子だったら、毅然(きぜん)として抵抗する。
やられっぱなしじゃダメだ、即座に反撃せねばならない。
相手のやり口をそっくりまねればいい。
やりやすいヤツだと思われたら、カモにされるだけだ。
徹底抗戦もいとわない。その覚悟も必要だ。
自分と同じやり口のヤツなら危険はない。
最初に下手に出た、こっちの態度をそっくり返してくれるに決まっている。
そう。全部、決まっているのだ。
変更はない。単純なプログラムだからだ。
融通もきかない。だから、一度でも間違えれば、そのまま突っ走ることになる。
もう少し、改良の余地がある。
さいわい、クローンには、ときにコピー・エラーがある。
間違いにだって、利用価値はあるのだ。だから ――。
改良型に、そのうち出会えるかもしれない。
そうすれば、この役目も終えることができるかもしれない。
戦略的クローンの未来も、そう悪くはないかも、しれない。
Robert Axelrod ; Cooperation 協調性の進化
http://theendoftakechan.web.fc2.com/ess/games/Axelrod.html
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