シーラカンスなどはまさに「進化的に安定な戦略」の真骨頂というところだろう。
突然変異体の侵入を一切許さないというのは、そういうことだろう。
戦略が「進化的に安定」であるというのは、どうやら「変化しない」ことであるらしい。
つまり、それは「進化できなくなった」状態である。
どうやら ESS ――「進化的に安定な戦略」を勘違いしていたのだ。
異なる戦略パターンの侵入を許さないというのは、遺伝子が変化することを許さない状態であったのだ。
ただ、進化しなくなった状態を「進化的に安定な戦略」とネーミングしたのだとすれば、センスが疑われるところでもある。
それは〝進化の袋小路〟をさす。
だから ESS が「変化的に安定な戦略」だなどというのはきっと、まだまだこちらの理解不足だ。
どっかに手違いがある。「進化的に安定な変化」のほうが、まだ正解に近いと思いたい。
それとも。
どうすれば進化しなくなるかという研究が、〈進化ゲーム〉のはじまりだったか。
それでも、環境の激変は、そこにいた生命を押し流す。
いにしえの繁栄の歴史から生き延びるための戦略が語られなければならない。
“Evolution and the Theory of Games”
邦訳タイトル 『進化とゲーム理論』
ジョン・メイナード・スミスのこの著作には、「あとがき」の直前に「協力の進化」と題された 1 章がある。
完璧に合理的なはずの利己的な「ナッシュ均衡」が、進化の歴史では、なぜ最強の戦略ではなくなるのか。
短期的には、「裏切り戦略」は、サバイバル・ゲームで最も有効であると、前提されても。
John Maynard Smith, 1982. 適応への戦略
http://theendoftakechan.web.fc2.com/ess/games/fitness.html
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