大まかにいえば、極小から極大までを含む、本当の大統一が実現するであろうと期待しています。
もう少し具体的にいえば、まず、前述したヒッグス粒子はじきにみつかるでしょう。それから超対称粒子。これが発見されると、自然の超対称性が検証されます。それから重力波の検出。これも観測装置が進展すれば、いずれは観測されるでしょう。第四世代以降の粒子の存在、超ひも理論が想定する多次元空間の実在性なども、重要なテーマになります。ダークマターやダークエネルギーの正体もわかるでしょう。
南部陽一郎氏といえば、2008 年に「対称性の自発的破れの素粒子物理学における発見」でノーベル賞を受賞したことで有名です。その年は、国籍はアメリカながらも日本人である南部陽一郎氏の業績と同時に、益川敏英氏と小林誠氏の「クォークが自然界に少なくとも三世代あると予言する対称性の破れの発見」の業績で、つまり「対称性の破れ」の研究によって、日本人がノーベル物理学賞を独占したほか、下村脩氏のノーベル化学賞の受賞という、日本がノーベル賞の話題に沸いた年でありました。
そういう「対称性の破れ」の研究でノーベル賞を受賞した南部陽一郎氏が、「自然の超対称性」の検証について期待を寄せていたというのは、どういうことかと調べていくと、
「なぜこの宇宙は存在しているのか」という、より根源的な問いに対し、超対称性がその鍵を握っているからです。
〔小林富雄『超対称性理論とは何か』 (p.47) 〕
という、物理学の究極の問いともいえる命題に行き当たりました。
ここから、にわかに、フランスの画家ポール・ゴーギャンが晩年の 1897 年に完成させた作品のタイトルでもある、人類の普遍的かつ根元的な問いに発展していきます。
われわれはどこから来たか。われわれとは何か。われわれはどこへ行くか。
〔本人による作品の解説ともいうべき引用がある『現代世界美術全集 7 』 (p.132) 〕
この作品の複製画を世界の多くの物理学者が所有しているという話もあります。
日本でも、松井孝典『我関わる、ゆえに我あり』では、ゴーギャンの作品を紹介した上で、その問いかけを軸に一冊がまとめられています。
同じ著者の惑星科学の立場から書かれた『宇宙誌』では、その表紙カバーと扉・目次の前ページにも、貫かれたテーマとして、ゴーギャンの作品タイトルが付されています。1993 年に徳間書店より刊行されたそのハードカバー『宇宙誌』は、2009 年に岩波現代文庫の一冊となり、2015 年には、講談社学術文庫としてあらためて刊行されています。講談社学術文庫版では、裏表紙カバーの内容紹介にそのテーマは書かれています。
松井孝典氏の著作では、宇宙からの視点で、人類と、地球の自然と、生命とは、何か、という命題が普遍的な問いかけとなって巡っていくのです。
対称性と普遍性と関係性
http://theendoftakechan.web.fc2.com/sStage/symmetry.html
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