何回(いか)ほど折りたためば、そんな風に見えてくるのだろうか?
まずはひとまず、〈プランクスケール〉の代わりに、チラシないしは、コピー用紙に登場願う。
A4 版の大きさなら(同じ紙で)、64 枚用意しよう。その厚さを、0.1 ㎜ と考える。
計算の都合もあるので、それを 1 ㎜ と仮りに想定する。
まあ最初、厚さ 1 ㎜ のボール紙から始めるのだとでも思ってほしい。
最後に、それを 10 分の 1 にすることで、もとの厚さに戻せるので、それがボール紙だろうとチラ紙だろうと、コピー用紙だろうと計算上は問題ない。
半分に折る。A5 サイズになる。その厚さは、
1 ㎜ × 2 = 2 ㎜
さらに、半分に折る。A6 サイズになる。その厚さは、
2 ㎜ × 2 = 4 ㎜
さらに、半分に折る。A7 サイズになる。その厚さは、
4 ㎜ × 2 = 8 ㎜
さらに、半分に折と、4 回目は、けっこうな暑さが出てくる。
8 ㎜ × 2 = 16 ㎜
これを、繰り返して、10 回おこなう。
5 回目以降は、もはや、折りにくくなるので、同じ作業を、別の紙で行ない、それを重ねることで、折ったのと同じ厚さを目で確認していくことにする。
5 回目(紙を 2 枚使う)
16 ㎜ × 2 = 32 ㎜
6 回目(紙を 4 枚使う)
32 ㎜ × 2 = 64 ㎜
7 回目(紙を 8 枚使う)
64 ㎜ × 2 = 128 ㎜
8 回目(紙を 16 枚使う)
128 ㎜ × 2 = 256 ㎜
9 回目(紙を 32 枚使う)
256 ㎜ × 2 = 512 ㎜
10 回目(紙を 64 枚使う)
512 ㎜ × 2 = 1024 ㎜
最初に想定したように、これは実際の 10 倍の厚さになるので、
1024 ㎜ ÷ 10 = 102.4 ㎜ ≒ 10 ㎝
実際にチラシでやって、測ってみると、だいたいそんな結果になった。
実はもっと簡単には、500 枚入りのコピー用紙(× 2 )を買ってきて、1,000 枚の厚さを測ってみればいい。これは、そうとうな厚さであることが、考えただけで、わかってしまうのである。
(わが家のコピー用紙では、おおよそ、93 ㎜ という計測結果となった。)
では、これを、20 回に増やすと、どうなるか。
11 回目
1024 ㎜ × 2 = 2048 ㎜
12 回目
2048 ㎜ × 2 = 4096 ㎜
13 回目
4096 ㎜ × 2 = 8192 ㎜
14 回目
8192 ㎜ × 2 = 16384 ㎜
15 回目
16384 ㎜ × 2 = 32768 ㎜
16 回目
32768 ㎜ × 2 = 65536 ㎜
17 回目
65536 ㎜ × 2 = 131072 ㎜
18 回目
131072 ㎜ × 2 = 262144 ㎜
19 回目
262144 ㎜ × 2 = 524288 ㎜
20 回目
524288 ㎜ × 2 = 1048576 ㎜
1 ㎜ の厚さのボール紙であれば
1048576 ㎜ = 1048.576 m ≒ 1.049 ㎞ ≒ 1 ㎞
0.1 ㎜ だと、その 10 分の 1 だから、おおよそ 100 m になる。
1048576 ㎜ ÷ 10 = 104857.6 ㎜ ≒ 105 m
1 ㎜ の厚紙であれば、この調子でどんどん重ねていくと、富士山の頂上は 22 回目で越えることがわかる。
けっこう簡単に、月まで行けてしまえそうな気がしてくるのである。
何が目的かというと、月まで行くことではない(夏休みの自由研究としても手遅れだ)。
どんなに、小さな数字でも、ゼロに限りなく近いのと、ゼロとでは、根本的に違うということだ。
平面を折りたたむ話、となると、これがゼロになることを意味する。
数学的平面には、厚さがない。だから、いくら重ねても、立体的にはなれない。
厚みのない平面が重なっているという状況は、図示すれば平面と変わらないのである。
――――
さてここからが、いよいよ〈プランクスケール〉レベルを折りたたむ話の本番(メイン)。
〔厚さの計算はいちおう、1 ㎜ を最初の基準値にします。〕
――が、どっちにせよ、
〈プランク長さ〉だと、10 の 33 乗の桁が必要になる。
〈プランク時間〉だと、10 の 44 乗の桁が必要になる。
ここで、この前に引き続き、
exp10 (2) - 百(ひゃく)
exp10 (3) - 千(せん)
exp10 (4) - 万(まん)
を例とする記述方法を採用して、先に進める。
exp10 (12) - 兆(ちょう)
exp10 (24) - 秭(し)
exp10 (28) - 穣(じょう)
exp10 (32) - 溝(こう)
exp10 (36) - 澗(かん)
exp10 (44) - 載(さい)
であるからして、10 溝で、10 の 33 乗、1 載で、10 の 44 乗。
ところで、
10 回目
512 ㎜ × 2 = 1024 ㎜
……
20 回目
524288 ㎜ × 2 = 1048576 ㎜
というのは、
1024 × 1024 = 1048576
と計算したほうが、だんぜん有利であった。
これは、キロ×キロ=メガである。もう 1 回キロをかけると、ギガである。
次は、テラとなり、ペタとなり、エクサとなる。
まずは、「 exp10 (15) - P (peta / ペタ・千兆)」までを計算する。
この下にリンクを示したページの、一番下に、その計算プログラムを用意しておいた。
手もとの電卓ではもうもたないので、それで試すと、
ギガ桁 1024 × 1024 × 1024 = 1073741824
テラ桁 1024 × 1024 × 1024 × 1024 = 1099511627776
ペタ桁 1024 × 1024 × 1024 × 1024 × 1024 = 1125899906842624
これで、50 回折りたたんだのと同じになる。もとが、1 ㎜ だと、
1 ペタは、1000 兆でもあり、ちゃんと、そういう桁数になっている。
1,125,899,906,842,624 ㎜ ≒ 1126 兆㎜
1125899906842624 ㎜ = 1125899906842.624 m
≒ 1,125,899,906.84 ㎞ ≒ 11.26 億㎞
ちなみに、40 回折り続けた、
テラ 1024 × 1024 × 1024 × 1024 = 1,099,511,627,776
は、おおよそ、1,100,000 キロメートル = 110 万㎞
そういえばさきほど、ちょっと考えてみた、
月までの距離がおおよそ、38 万㎞ 。
太陽までが、14960 万㎞ ≒ 1.5 億㎞ 。
太陽から海王星までが、450440 万㎞ ≒ 45 億㎞ 。
さてさて……。
〈プランク時間〉を 1 秒 以上の大きさにするために、
〈プランク長さ〉を 1 ㎜ 以上の大きさにするために、
次いで、50 回の計算結果をもとにして、
1126 兆 × 1126 兆 = 1267876 秭 = 126.7876 穣
これで、100 回
1126 兆 × 1126 兆 × 1126 兆 = 1427628376 澗 = 14.27628376 載
これで、150 回。ようやく 10 の 45 乗にまで到達した。
――前回の記録より――
その〈プランク時間〉の、より正確な数値というのは、
〝 5.4 秒〟に〝 (10 の 44 乗) 分の 1 〟をかけたもの、でしたので、それは、
5.4 ÷ (10 の 44 乗) 秒、と同じになり、
それに「 (10 の 44 乗) である 載(さい)」をかけると、
5.4 ÷ (10 の 44 乗) × (10 の 44 乗) s = 5.4 s
――前回の記録ここまで――
そういうわけで、150 回折り重ねると、参考値は、
5.4 ÷ (10 の 44 乗) × (10 の 44 乗) s = 5.4 s
であるからして、〈プランク時間〉かける (10 の 44 乗) と比較して、
それにさらに 10 をかける計算よりも多くなるので、
54 秒以上となろうかと、そういう結果である。
5.4 秒 × 14 = 75.6 秒 に、近いあたりになると思われる。
ここで、
exp10 (28) - 穣(じょう)
exp10 (32) - 溝(こう)
exp10 (36) - 澗(かん)
exp10 (44) - 載(さい)
の、あいだがすっぽり抜けたので、そこを細かく計算すると、
126.7876 穣 × 1024 = 129830.5024 穣 ≒ 12.98 溝
これで、110 回の計算となる。
であるからして、10 溝で、10 の 33 乗、1 載で、10 の 44 乗とは、
110 回とか、150 回で、そういう桁数の重なりになりもうす。
これを、ミリからキロメートルに修正するには、6 桁を引けばよく、
「 exp10 (12) - 兆(ちょう)」でそれを示すには、さらに、12 桁を引く。
つまり、合わせて、18 桁を引けばよい。
まとめ
〈プランク長さ〉を 1 ㎜ 以上にするというのは、110 回折り重ねる計算になる。
もとが 1 ㎜ なら、
10 の 33 乗で、ゼロが 15 桁(15個)兆㎞ 、つまり、
1,000,000,000,000,000 兆㎞ にまでするということになる。
1 ㎜ を 110 回折ると、
126.7876 穣 × 1024 = 129830.5024 穣 ≒ 12.98 溝 ㎜ で、
129830.5024 穣㎜ = 1,298,305,024,000,000,000,000 兆㎞
こういうのを、ウインドウズのエクセルで計算式を書く場合には、
=POWER(1.024,5)
で、〝5〟のところを適宜変えて計算します。
〝1〟でキロ、〝2〟でメガ、〝3〟でギガ、〝4〟でテラ、〝5〟でペタ、
という桁数になり、小数点以下がつきます。
50 回折りたたんだ厚さの値は、
=POWER(1.024,5)
1.125899907 ペタ = 1125.899907 兆
です。
最後にもう一度、書いておくと。
ペタ 1.024 × 1.024 × 1.024 × 1.024 × 1.024 = 1.125899906842624
この参照値は、次のページの一番下のプログラムで計算しました。
ベルクソンの「永遠の現在」:ハイゼンベルクの新しい「理解」
http://theendoftakechan.web.fc2.com/atDawn/transcend/moment.html
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