2020年5月29日金曜日

三角関数を使って楕円を描く

 今回は《楕円の方程式》の続きです。
 媒介変数を使って楕円を描く方法がとても便利なので、その計算式の紹介となります。

 ⛞ もうひとつの楕円の定義
◎ 2 定点 F ( c , 0 ) , F´ ( -c , 0 ) を焦点として、焦点からの距離の和が 2 a のときに、
a > c > 0 かつ a > b > 0 である、楕円の方程式
 x 2   +   y 2    = 1  ( b = √ a 2c 2  )
   
 a 2   b 2 
で、表される楕円は、半径 a の円を y 軸(短軸)方向に ba の比で縮小したものと考えられます。
◎ また、2 定点 F ( 0 , c ) , F´ ( 0 , -c ) を焦点として、焦点からの距離の和が 2 b のときに、
b > c > 0 かつ b > a > 0 である、楕円の方程式
 x 2   +   y 2    = 1  ( a = √ b 2c 2  )
   
 a 2   b 2 
で、表される楕円は、半径 b の円を x 軸(短軸)方向に ab の比で縮小したものと考えられます。

 x 2y 2  =  a 2 ]の円周上の点を P ( x0, y0 ) とし、
その y 座標を ba の比で縮小した点を Q ( x1, y1 ) として考えます。
x1 = x0
y1 = ( ba ) y0
● この前提より、
x0 = x1
y0 = ( ab ) y1
● 点 P で[ x0 2y0 2  =  a 2 ]が成り立つので、
x1 2 + { ( ab ) y1 } 2 = a 2
∴  x1 2 + ( ab ) 2 y1 2 = a 2
▣ この両辺を a 2 で割れば、次の式になります。
 x1 2   +   y1 2    = 1
   
 a 2   b 2 
◈ 楕円は、三角関数でも描くことができるわけです。
θ =  ° ba = 2 ∕ 3
x =  y1 =  y0 = 

  円と楕円の媒介変数 (parameter) 表示
 ◯ ここで参考書の説明を引用しておきましょう。ちなみに、媒介変数(ばいかいへんすう)は、数学の辞典には、助変数(じょへんすう)の項で掲載されています。

新装版『数学読本 5』 〔松坂和夫/著〕
18. 4 媒介変数で表される曲線
 (pp.943-944)
◆ 曲線の媒介変数表示
 一般に、平面上を点 P (x, y) が運動するとき、その x 座標、y 座標は時刻 t の関数として
x = f (t) ,  y = g (t)
と表されるでしょう。このとき、t の変化にともなって、点 P は平面上の 1 つの曲線をえがきます。
 このように、平面上のある曲線の x 座標、y 座標が 1 つの変数 t によって上の形に表されるとき、これをその曲線の媒介変数表示またはパラメーター表示といい、t媒介変数またはパラメーターといいます。運動する点がえがく曲線の媒介変数表示においては、媒介変数は時間あるいは時刻 (time) です。しかし一般には、媒介変数は必ずしも時刻である必要はありません。また、それを表すのにいつも文字 t を用いる必要もありません。

 ⛞ 円の媒介変数表示
◈ 中心が原点 O (0, 0) で、半径が a円の方程式は、
x 2y 2 = a 2
なので、円周上の点 P (x, y) の座標を三角関数で表現すれば、
x = a cos θ
y = a sin θ
となって、これは、原点 O を中心とする、半径 a の円の媒介変数による表示でもあります。
 ⛞ 楕円の媒介変数表示
◈ 標準的な楕円では、x 軸に対して、y 軸が b / a 倍になるので、
x = a cos θ
y = b sin θ
ということになります。

◎ 楕円の方程式は、〈陰関数表示〉で、
 x 2   +   y 2    = 1
   
 a 2   b 2 
と、表されました。これを〈媒介変数表示〉すると、
x = a cos θ
y = b sin θ
となるわけです。試しに、媒介変数表示の x, y を陰関数表示に代入してみれば、
 a 2 ( cos θ ) 2   +   b 2 ( sin θ ) 2    = 1
   
 a 2   b 2 
∴  ( cos θ ) 2 + ( sin θ ) 2 = 1
● これは三角比の平方公式
sin 2 θ + cos 2 θ = 1
と、一致しています。

【三角比の平方公式
◈ ピタゴラスの定理だと、次のようになります。
[ a 2b 2 = c 2 ]
▣  cos θ = ac
▣  sin θ = bc
( cos θ ) 2 + ( sin θ ) 2 =    a 2   +   b 2 
   
 c 2   c 2 
  =    a 2b 2   +   c 2    = 1
   
 c 2   c 2 
● 中心が原点 O (0, 0) で、半径が 1 の円は、
x 2y 2 = 1
なので、その円周上の点 P (x, y) の座標で、
( cos θ ) 2 + ( sin θ ) 2 = 1
が成り立つわけです。

 今回の JavaScript によるプログラムも、このページ内に同梱しています。

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