2020年5月23日土曜日

双曲線と《光の入射角・反射角》

 ◯ 双曲線の接線の方程式を導くための詳しい計算式が、宇沢弘文氏の『好きになる数学入門 3』に記述されています。一部を抜粋して、紹介しておきましょう(楕円の接線は次回に計算及び確認します)。

『好きになる数学入門 3』〔宇沢弘文/著〕
7 章 双曲線 「双曲線の接線の方程式」
 (pp.118-119)
 双曲線の接線の方程式も、楕円の場合と同じようにして計算することができます。つぎの方程式によって与えられる双曲線を考えます。
(3)     x 2   -   y 2    = 1
   
 a 2   b 2 
この双曲線上の点 P = ( x0, y0) における接線の方程式が
 (4)   m xn y = 1
によってあらわされるとします。
 接線の方程式 (4) が双曲線上の点 P = ( x0, y0) を通るから、連立方程式 (3), (4) の解
  x0 2   -    y0 2    = 1 ,   m x0n y0 = 1
   
a 2 b 2
1 つしかないような m, n の値を求めればよいわけです。
● この連立方程式の解法を記したあとで、次の結論と定理が、述べられています。
 (pp.118-119)
「双曲線の接線の方程式」
双曲線上の点 P = ( x0, y0) における接線の方程式は
 x0 x   -   y0 y    = 1
   
 a 2   b 2 
あるいは
 x0 ( xx0  -   y0 ( yy0   = 0
   
 a 2   b 2 
定理 双曲線上の任意の点 P における双曲線の接線 PT は、P 2 つの焦点 F, F´ をむすぶ直線のつくる角を二等分する : ∠FPT = ∠F´PT.

 ◎ 定理に記述されている点 T の座標の位置関係は、下の作図例を参照してください。
  この定理を証明する方法として、たとえば 2 つの焦点 F, F´ からそれぞれ接線に下(おろ)した、垂線の足を G, G´ としたとき、三角形 PFG と三角形 PF´G´ が互いに相似であるということを証明すればよいという内容が、上の引用文に続けて、計算式とともに記述されています。
―― その証明のための計算式はかなり込み入ったものでして、その方法を参考にしつつ、別の視点からの考察も含めて、本日公開したサイトで検証しています(一応いつものごとくこの末尾でリンクしています)。
 ◎ 考え方の概略だけを、ここでは述べておきましょう。

〈内角の二等分線と辺の比の定理〉の応用
  接線が ∠FPF´ の二等分線になっているという定理では、
ひとつには、
PF : PF´ = TF : TF´ であることが証明されればよいとわかります。
⛞ その証明のための、
双曲線の 2 焦点を F ( c , 0 ) , F´ (- c , 0 ) とし、
双曲線を描く軌跡の座標を、点 P ( x0, y0 ) としたときの、
PF, PF´ の長さの計算
および
双曲線の接線と x 軸との交点を T としたときの、
TF, TF´ の長さの計算
〈三角形の相似条件と三角比〉の関係性
  いっぽう直角三角形では
三角比(三角関数)を用いることができるので、
焦点 F, F´ から接線に下した、垂線の足を G, G´ としたとき、
●  ∠PGF = ∠PG´F´ = 90 °
は前提条件となっており、さらにここで、θ = ∠FPG とすると、
●  sinθ = FG  ∕  PF
となるので、結果として、2 辺の比である
PF : FG = PF´ : FG´ が証明されればよいとわかります。
⛞ その証明のための、 FG 及び FG´ の長さの計算。
▣ 作図例では、数値の変更をともなう G, G´ の計算結果を、スカイブルーの丸で塗っています。

◎ 以上のことが証明された結果、
焦点 F から双曲線上の点 P に向けて放たれた光は、
もうひとつの焦点から点 P に向けて放たれた光が直進する方向」に(向けて)反射する、ということが理解できるわけです。

◈ 焦点が F ( c , 0 )F´ (- c , 0 ) で、
準線の方程式が[ x = a 2  ∕  c ]で表される
双曲線の接線の作図。
 (ただし a の値は c 倍とします)
   c   =        a   =  
  y0  =       x0  =  
    PF   =      PF´  =  
▣  PF  ∕  PF´  =  
    TF   =      TF´  =  
▣  TF  ∕  TF´  =  
    FG   =      FG´  =  
▣  FG  ∕  FG´  =  

 ⛞ 合成関数の微分に関する定理
 ● u  =  g (x) に関して、x の増分 Δx に対する u の増分を Δu とします。
 ● y  =  f (u) に関して、u の増分 Δu に対する y の増分を Δy とします。
 ● y  =  f (u)  =  f ( g (x) ) が成り立って、
 dy    =   d  f ( g (x) ) = f ´( g (x) ) g ´(x)
   
 dx   dx 
    = f ´(u) g ´(x) =    dy   ∙   du 
   
 du   dx 
  という結果が、導かれます。

▣ 双曲線の接線の方程式は、合成関数の微分の定理を用いて計算できます。
 x 2   -   y 2    = 1
   
 a 2   b 2 
 上の式で与えられる双曲線の接線は、一般に次の方程式で示されます。
 x0 x   -   y0 y    = 1
   
 a 2   b 2 
【計算】
  双曲線の方程式の両辺を x で微分します。
 2 x   -   2 y   ∙   dy    = 0
     
 a 2   b 2   dx 
◎ y  ≠  0 のときには、
dy   =    b 2   ∙   2 x    =    b 2 x 
       
 dx   2 y   a 2   a 2 y 
  だから y0 ≠ 0 のとき、点 P ( x0, y0 ) での接線の傾きは、
 b 2 x0 
 
 a 2 y0 
なので、接線の方程式は、次の計算式となります。
yy0 =    b 2 x0   ( xx0 )
 
 a 2 y0 
∴  a 2 y0 ( yy0 ) = b 2 x0 ( xx0 )
● この両辺を a 2 b 2 で割って、
  y0 yy0 2    =     x0 xx0 2 
   
 b 2   a 2 
∴     x0 x   -    y0 y    =     x0 2   -    y0 2 
       
 a 2  b 2 a 2 b 2
◈ 双曲線の方程式と合わせて考えれば、以上のことから、双曲線の接線は次の方程式で示すことができます。
▣    x0 x   -   y0 y    = 1
   
 a 2   b 2 
●  x =    a 2   ( y0 y / b 2 + 1)
 
x0
●  y =    b 2   ( x0 x / a 2 - 1)
 
y0

双曲線の接線と直交する直線の方程式
 双曲線の接線の、y 軸に対する傾き m は次のようになります。
m =    a 2 y0 
 
 b 2 x0 
▣ 接線と直交する直線の方程式の傾き n は、接線の傾き m の逆数にマイナス 1 を掛けた値になります。
n = -   b 2 x0 
 
 a 2 y0 
◈ この傾きをもつ 2 本の直線が、
それぞれ焦点 F ( c , 0 ) , F´ (- c , 0 ) を通ることになります。
● したがって、その方程式は、
 x = n yc
 x = n yc
2 通りになって、それぞれが、接線と垂直に交わるのです。
▣ 連立方程式の解を求めることで、交点 G の座標は計算できます。
【計算】(交点の座標も同様の計算で)
● x =    a 2   ( y0 y / b 2 + 1) = m y +   a 2 
   
x0 x0
 ● x = n yc
 a 2 y0   y +   a 2    = -   b 2 x0   yc
     
 b 2 x0  x0  a 2 y0 
 a 2 y0   y +   b 2 x0   y = c -   a 2 
     
 b 2 x0   a 2 y0  x0
∴  y = (c -   a 2  ) ÷ (  a 2 y0   +   b 2 x0  )
     
x0  b 2 x0   a 2 y0 

―― 例のごとく、コピペしてそのまま使える、JavaScript の見本をテキスト化して掲載したページを、計算方法の紹介などとともに、以下のサイトで公開しています。

JavaScript : 円錐曲線の準線と接線
http://theendoftakechan.web.fc2.com/eII/hitsuge/arcus/hyperbola.html

0 件のコメント:

コメントを投稿