2020年3月12日木曜日

円の接線の方程式

 数学上認められている、無限に循環を繰り返す《循環小数》の計算があります。

「循環小数の作り方」by takechan


 1 ÷ 1 = 1
 1 ÷ 2 = 0.5
 1 ÷ 3 = 0.333333333333333 ……
 1 ÷ 4 = 0.25
 1 ÷ 5 = 0.2
 1 ÷ 6 = 0.166666666666666 ……
 1 ÷ 7 = 0.142857142857142 ……
 1 ÷ 8 = 0.125
 1 ÷ 9 = 0.111111111111111 ……

◎ 〈1 ÷ 3〉〈1 ÷ 6〉〈1 ÷ 7〉〈1 ÷ 9〉が、循環小数となっています。
 無限に繰り返される数の上に〈・〉をつけて記述される場合もあります。繰り返しの数が複数にわたる場合には、最初と最後の数字の上にだけ〈・〉をつけます。

 上につけられる〈・〉が見つからなかったので、今回は〈̊〉で代用して記述してみることにします。

「循環小数の書き方の模索」by takechan


  0.3̊ = 0.333333333333333 ……
  0.16̊ = 0.166666666666666 ……
  0.1̊42857̊ = 0.142857142857142 ……
  0.1̊ = 0.111111111111111 ……

 さてここで、数学マジックに惑わされないように気をつけつつ、〈1 ÷ 3〉に注目してみましょう。
 これを分数の形で 3 倍すると、もちろん 1 になります。が、小数の形で 3 倍すると、

 [(3 分の 1)× 3 = 1 ]
  0.3̊ × 3 = 0.9̊ = 0.999999999999 ……

となることは、明白なのです、困ったことに。

◎ そういうわけで、

  0.9̊ = 1

であることが数学的に証明されてしまうのだ。説明しよう。

「循環小数に関する証明の一例」


 計算を簡単にするために、まず
  0.9̊ = a
 と記号化して、それを 10 倍してから、1 倍を引く。
  a × 10 = 10a
  10a - a = 9a
 これを、実際の数字でやってみる。
  0.9̊ × 10 = 9.9̊
  9.9̊ - 0.9̊ = 9
 したがって、[ 9a = 9 ]となるので、
   a = 1
 ∴ 0.9̊ = 1

 無限大〈 ∞ 〉の怪物に立ち向かうためには、この魔法を納得する必要があるのでしょうか?
 このまま、騙されたと思いつつも、極限の世界へ突入することになります。


微分からの円の接線の方程式


◈ 極限 (limit) の世界


 極限というのは、いわば〈 ∞ 〉の一歩手前、〈 0 〉の一歩手前、を考える作業です。
 今回は、微分の入門編を目的としていますので、〈 0 〉の一歩手前を考えることにします。



 限りなく 0 に近づく値という場合、たいていは、プラスの数がイメージされているようです。
 この極限について、座標の原点を中心とする円 O の、2 点間を結ぶ直線で考えてみます。
▣ 円周上の 2 点をそれぞれ、点 P (px, py) 、点 Q (qx, qy) とします。
円と交差する直線の傾きを計算することになります。
 ふたつの点は、円周上の任意の場所にありますが、ふたつとも同じ位置の際には、2 点間の距離が限りなく 0 に近づいた状態であると、仮にみなしておきます。
 そういう極限状態の際に、直線 PQ は円 O の接線になるのでした。

  ▣  P 座標の角度 °    ▣  Q 座標の角度 °
P ( px py )
P 座標 ( )
Q ( qx qy )
Q 座標 ( )
 ▶ 2 点間の平均変化率(直線の傾き)
      (qy - py)  ∕  (qx - px) = 
◯ 円の接線三角関数の微分
●  PQ の座標の角度 = θ(度) として
  [ sin x の微分は、(sin x と記述される ]
● (sin θ )´ = cos θ
● (cos θ )´ = - sin θ
P, Q の座標の値を (x, y) とするとき
▣ 接線の切片: y - ( - x ÷ y × x )
▣   = yx2 ÷ y
 ◎ 円の方程式
⛞  x2 + y2 = r2
 ◎ 円の接線の方程式
 ▶  x2 + y2 = r2 より、
半径 r の円周上の座標を ( r*cosθ r*sinθ ) とし、さらに
px = cosR = r*cosθ
py = sinR = r*sinθ
と記号化して、円周上の x 座標、y 座標を記述するとき、
接線の x , y 座標の方程式は、
▣  y = f (x) = -    px    xpy +     px2 
  py   py
     = -    px    ( xpx) + py
  py  
▣  f (x) = -    cosR    x + sinR +     cosR2 
  sinR   sinR
     = -    cosR    ( x - cosR) + sinR
  sinR  
● ここで記号化した px , py , cosR, sinR は、それぞれ文字ごとには分割できない記号として用いています。
● また通常、混乱を避けるために px , py は、px , py のように、添え字で記述されるようです。

さて、極限の値を考えるには、まずグラフ座標の 2 点間の傾きを求めます。
 これが、2 つの値の間の平均変化率になります。
 最初に登場する記号は h で、これは 0 よりも大きい、とても小さな数を示しています。
 この h x の値の差 (difference) を表しているため、Δx とも書かれます。Δ (delta) はギリシャ文字で、このとき Δx は分割できない 1 つの記号として表現されており「デルタエックス」と読みます。
◈ 平均変化率は、
  Δy  
  Δx  
で表現され、さらに、[ y = f (x) ]を微分した関数は[ y´ = f ´(x) ]と書かれ、
  dy  
  dx  
という具合に、用いられる記号も、変わります。

◈ 微分で求められる関数は「微分係数」といって、見た目も分数で、分数のように扱われることもあるようなのですけれど、実は分数ではないそうです。基本的にひとかたまりの記号として扱われて「ディーワイ・ディーエックス」、「ディーワイ・バイ・ディーエックス」もしくは「ディーエックス分のディーワイ」と読むことになっているようです。

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