バブ・エル・マンデブ海峡を通ってアラビア半島南端に上陸する「南方ルート」が有力視されているようなのですが、紅海の海峡を越えるには、聖書以前の時代とあってはモーセの奇蹟も期待できないため、渡海のための造船技術が必要となります。
イスラエル方面へと向かうのは、シナイ半島を経由する「北方ルート」となります。
ホモ・サピエンスが、シナイ半島のその先、パレスチナの回廊を突破して、ヨーロッパへの出アフリカを成功させたのは、ネアンデルタール人が姿を消したころ、およそ 4 万年前のことだったようです。
が、それより以前にアフリカを出たホモ・サピエンスは、そのころにはすでに東南アジアにまで到達していたと、証拠が示しているそうです。
6 万年前。定住はまず、海岸線にはじまり、アフリカの東海岸から海の幸を追って、ホモ・サピエンスはうっかりアラビア半島にまで渡ってしまったのでしょうか。
さて、人類の文化の革命的な発展は、脳の大きさと言語のことが話題の中心になります。
現生人類ホモ・サピエンスの共通の祖先は「ミトコンドリア・イブ」説が 1987 年に発表されて、おおよそ 20 万年前のアフリカ起源が主力となったようです。また、現代人的な心の起源を「現代人的行動」の記録に求めれば、10 万年前より昔には、あまり溯れないらしいのです。
文化と芸術の爆発は、ヨーロッパへの出アフリカを成功させた直後のことだったようです。それが 4 万年前よりもっと以前の古い時代には確認できないということから、人類文化の発展に脳と言語以外の、きっかけとなるべき要因が提唱されています。
それは、集団の人口の多さとその密集度です。
ネアンデルタール人が絶滅したころに、ホモ・サピエンスの集団は巨大化したということが研究発表されています。
集団の巨大化と、言語を駆使した強大なコミュニケーション能力が、新しい文化の継承・伝承を、驚異的に拡大したということのようです。
人類の脳の巨大化には当然のことながら限界があって、4 万年前と較べれば少し小さくもなりました。
ですが。人口増加とともに飛躍的に発展したコミュニケーション能力により、脳のネットワーク化が急速に起きたのだといえましょうか。
―― その仮説に基づくなら。
芸術の爆発は、目に見えない脳のネットワークが、新しい人類を創発した時代の象徴だったのかもしれません。
共同する生存者
http://theendoftakechan.web.fc2.com/ess/survivor.html
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