状態量というのは、たとえば、〝長さ〟や〝重さ〟などの状態をあらわす量で、
通常は数字に、単位(メートルやキロメートル・グラムやキログラムなど)をつけて、
その数値がどのことに関しての量であるかを、示すことになっています。
ほかにも、体積や気圧・圧力など、さまざまにあります。
つまり、状態量というのは、ぶっちゃけ、〝長さ〟や〝重さ〟などの数(かず)のことです。
そういうわけで、身長にも体重にもそれなりに、単位が、ついてきます。
でなければ、体重が、50 トンかも知れません。
さて。〈エントロピー〉が状態量であるというときの単位は、
〈 J / K 〉で、これを〝ジュール毎ケルビン〟と読みます。
1 ケルビンごとに、何ジュールか、というわけです。
――ここで〝毎(まい)〟について少々説明しますと、これは、
毎度毎度(まいどまいど)の〝毎〟でもあるわけですが、
日常的には、「そのたびごとに」の意味で使われています。
理科の単位的には、〝毎度〟で、「 1 度ごとに」の意味となります。
たとえば、秒速 5 メートルの風というのは、
毎秒 5 メートルの風、ともいいまして、
この単位は、風速 5 メートル毎秒と表現されたときの、〝メートル毎秒〟です。
1 秒ごとに 5 メートル移動する風です。風の速さを示しています。
〈 J / K 〉は、そういうわけで、「ジェイケイ」ではなく、「ジェイ毎ケイ」となります。
ジュール (J) もケルビン (K) も、もともと、科学者の名前です。それが、
〈ジュール〉は〝熱〟の量、
〈ケルビン〉は〝温度〟の量
として、単位の名前になりました。〈ケルビン〉は〝絶対温度〟をあらわす単位です。
1 cal = 4.184 J
これは、1 カロリーは、4.184 ジュールであることをあらわします。
0 ℃ = 273.15 K
現在の絶対零度は、-273.15 ℃ なので、これは、
絶対温度基準では、摂氏零度は、273.15 ケルビンであることをあらわします。
このような単位をもとにして考えてみても、〈ボルツマン定数 k 〉の単位は、
〈エントロピー〉と同じ〈 J / K 〉となります。
――というのは、
S = Q / T = k ln W
( k = 1.380658 ÷ 10 の 23 乗 )
熱量を温度で割った〈エントロピー S 〉の量は、
〈状態数 W 〉の「自然対数」に比例することを、
ボルツマンが証明してしまったからなのです。
この場合、分子が位置する状態の可能性(場合の数)が〈状態数 W 〉と表現されています
で。「対数」というのは、「繰り返しかけ算される回数」のことでしたから、それ自身に単位は想定できかねます。
その「対数」がゆくゆくは〈エントロピー S 〉と同じ状態量となるからには、単位が必要となって、それは、〝状態数の自然対数〟に、かけ算されている、〈ボルツマン定数 k 〉の単位と同じでなければ、計算が完結しないということになりましょう。
しろうとなりに考えて、このような結論となった次第で、
――あとは専門家に確認してみてください。
ボルツマンの原理 : H 定理 と ボルツマン方程式
http://theendoftakechan.web.fc2.com/sStage/entropy/Boltzmann.html
【4月8日追記】本文の訂正です
単位をつけて書くという説明に用いられるべきは〝物理量〟で、
『広辞苑』第六版の説明では、それは、
「物理系の性質を表現し、その測定法、大きさの単位が規定された量。位置・質量・エネルギーなど。」
となっています。ですので、本文冒頭の文章は、
「つまり、物理量というのは、ぶっちゃけ、〝長さ〟や〝重さ〟などの数のことです。」
のように書けばそれなりに正しかったのでしょうが、いまとなってはあとのまつり。
なぜかそう思い込んで書いてしまった「〝長さ〟や〝重さ〟」が〝状態量〟である、というのは、とんでもないデタラメでした。
つつしんで、訂正させていただきます。
財団法人国際科学振興財団/編『科学大辞典』第2版(平成17年2月28日 丸善発行)
の 684 ページに〝状態量〟は、次のように説明されています。
「物質の熱力学的状態によって定まる物理量。圧力、温度、体積、内部エネルギーなど。」
このように〝状態量〟というのは、物理量の一部をさしていうのであって全体ではないにもかかわらず。なぜかすっかり混同・混乱しておりました。
反省するほどにしみじみと落ち込みます。以前にも書いた言葉。
字を書くとは、同時に恥もかく覚悟がいる。
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