2017年3月20日月曜日

〝逆数〟の対数は プラス・マイナスが逆になる

 ASCII 文字セットは、256 文字で構成されています。
 日本語版 Visual Basic 2.0 添付の『リファレンス』には、そう書いてあります。

 ASCII はそもそも 7 ビット 128 文字分で構成されています。その後、ISO 規格で、8 ビット文字が採用されて、これがいわゆる、8 ビット = 1 バイト文字として定番となりました。
 JIS 規格の文字セットでは、ASCII の 128 文字に、一部変更と追加が施されて、256 文字分の領域で表現されます。

 現在では、1 Byte = 8 bits 文字が、あたりまえとなりました。
 〈ビット bit〉の略号は〈 b 〉で、〈バイト Byte 〉の略号は〈 B 〉となっています。
 ですから、〈メガバイト MB 〉や〈ギガバイト GB 〉の略号の大文字〈 B 〉は、〈ビット b 〉ではなく、〈バイト B 〉の意味であるとして、区別できるわけです。
 でもって、ここから算数になります。
 この 1 Byte = 8 bits で 256 文字ということを覚えてたら、8 ビットはいかほどか計算するまでもないでしょうが、先日の〝指数の引き算は割り算として考える〟ということを逆にして〝指数の割り算は引き算として考える〟なら。

2 の 10 乗 = 1024 さえ覚えておけば、

   2 の 10 乗 ÷ 2 の 2 乗 = 2 の (10 - 2) 乗 = 2 の 8 乗

であることがわかるので、これから、

   2 の 2 乗 = 2 × 2 = 4
   1024 ÷ 4 = 256

と、暗算でも計算できそうな塩梅(あんばい)となります。また、

   2 の (10 - 2) 乗 = 2 の 8 乗
   2 の (2 - 10) 乗 = 2 の -8 乗

   1024 ÷ 4 = 1024 / 4
   4 ÷ 1024 = 4 / 1024

と、分数表示したときに、

 分母と分子が逆になる数を〝逆数〟といって、ここが第一ポイントです。
 〝逆数〟は、正しくは 1 が分子になる場合に、いうらしいです。
 ある数を〈 N 〉としたとき、〈 N 分の 1 〉をその〝逆数〟と称するわけです。
 これは、〈 N のマイナス 1 乗〉と、同じことを意味します。
 思い起こせば「累乗」を

   1 × N × N × N × N ……

と考えれば、「マイナスの累乗」は

   1 ÷ N ÷ N ÷ N ÷ N ……

なわけで、この最初の〈 N のマイナス 1 乗〉部分に注目した

   1 ÷ N = 〈 N 分の 1 〉

こそが ―― 説明しよう ――〈 N の逆数〉と呼ばれるのだ、と覚えておきましょう。
このとき、〈 N 〉という数字は〈 0 〉以外なら何でもアリだそうで、

   N = 4 分の 1 = 1 ÷ 4

ならば、〈 N の逆数〉は、〈 N 分の 1 〉 = (4 分の 1) 分の 1

   1 ÷ N = 1 ÷ (4 分の 1) = 1 ÷ (1 ÷ 4) = 1 × (4 ÷ 1) = 4

この〈 N 〉の数字を少し変えて、

   N = 3 分の 2 = 2 ÷ 3

ならば、〈 N の逆数〉は、〈 N 分の 1 〉 = (3 分の 2) 分の 1

   1 ÷ N = 1 ÷ (3 分の 2) = 1 ÷ (2 ÷ 3) = 1 × (3 ÷ 2) = 2 分の 3 = 1.5

というわけで。かくのごとく、
分母と分子が入れかわった状態が〝逆数〟と称されることになるのだ。

 最後の、掛け算で割り算がひっくり返る部分さえ、理解できるなら、否、理解できなくても。
(カッコのある計算で、カッコを外したときに、プラスとマイナスの符号が逆になる原理の発展版として考えれば次の如く)

   1 - (2 - 3) = 1 + (- 2 + 3) = 1 - 2 + 3 = 1
   1 ÷ (2 ÷ 3) = 1 × (÷ 2 × 3) = 1 ÷ 2 × 3 = 1.5

――いずれにせよ、うえの計算式に誤植はないと思うけれども、あったとしても。
 このことは「対数」の計算で、恐るべき能力を発揮することになります。
 いかに発揮されるのか。

   2 の (10 - 2) 乗 = 2 の 8 乗
   2 の (2 - 10) 乗 = 2 の -8 乗

   1024 ÷ 4 = 1024 / 4
   4 ÷ 1024 = 4 / 1024

だったので

   2 の 8 乗 = 2 の (10 - 2) 乗 = (1024 / 4)
   2 の -8 乗 = 2 の (2 - 10) 乗 = (4 / 1024)

なので、これを対数関数で表現すると、

   8 = lb (1024 / 4)
   -8 = lb (4 / 1024)

というわけで、このとき、4 を 1 に交換したら、

   10 = lb (1024 / 1)
   -10 = lb (1 / 1024)

「〝逆数〟の対数は プラス・マイナスが逆になる」
という、本日のお題の解説と、あいなった次第であります。
これはもっと簡単に、次のように訂正すべきでしょうか。
「〝逆数〟の対数には マイナス符号をつければよい」
この正しい表現がどうなるのかは、手近な先生にでも尋ねてみてください。

――と、いうわけで。
 lb は、2 を底とする対数( 2 進対数)の略号として、今後も、ISO 標準として、使っていきたく思います、のでよろしく。
 確率を〝逆数〟にしたあげく、その対数式にマイナス符号をつけるという手法は、〈情報エントロピー〉の基本手順となっています。

0 件のコメント:

コメントを投稿