内乱(市民革命)という点で、日英で近い事件を並べてみるならば、
1649 年 国王チャールズ 1 世が斬首される (イギリスの市民戦争)
1651 年 由井正雪が反乱未遂事件で自殺する (慶安の変)
また、その後には、
1657 年 明暦の大火
1666 年 ロンドン大火
かくのごとくに江戸時代には、花のお江戸もロンドンも、大火事の記録が残されている。
そういう時代、イングランドで「王政復古」が行なわれた、その直後に、
1660 年 ロンドンの〈王立協会〉は誕生した。
その〈ロンドン王立協会〉の事務局長に、現在に至るまで続く「科学雑誌」を創刊した、オルデンバーグというドイツ人がいる。
〈ロンドン王立協会〉が正式に発足するのは、1662 年で、パリとロンドンで最初の雑誌が創刊されるのは、1665 年である。
金子務『オルデンバーグ』(中公叢書、2005 年)という本には、
いま、まず『トランザクションズ』に先行してパリで刊行が始まったフランスの学術誌、『ジュルナル・ド・サヴァン』との関連を見ておこう。 (P. 141)
とあり、ロンドンの「フィロソフィカル・トランザクションズ」と、
創刊がそれに二ヵ月先行したフランスの雑誌にも触れてある。
その本の「第四章」には、また、《学会》の起源としての勉強会などの必然性が、
――つまり――
面[つら]つき合わせて語ることの必要性として、語られる。……このことは重要である。
そこに記述された〈暗黙知〉の理論は、まさに〈クラスター理論〉の核心に迫るものだ。
――ありがちな話ではあるけれども――
飛躍のヒントは、記号化された言語では語られない部分に潜んでいることがある。科学の共同体形成の上で、大枠としての科学通信システムという神経ネットワークの形成が不可欠であることについては、まず異論はないであろう。しかし、同時に見逃されてならないのは、もう一つのヒューマン・ネットワーク、フェイス・ツー・フェイスの人物リンケージの重要性である。 (P. 194)
というのは、科学通信の手段がなんであれ、通信によるネットワークは知識が言葉で表現できること、情報パッケージに分割可能なことを前提にしている。あくまでもそれは、顕在知について有効な手段なのである。 (P. 195)
〔金子務『オルデンバーグ』(中公叢書、2005 年)「第四章」〕
この続きも、引用文として、多少記させていただいている。
最後に、今回オルデンバーグについて学んだことを、自分の言葉として、書いた内容を、書き写させていただきます――。このオルデンバーグの戦略的発想は、まさしく現代のインターネットに受け継がれているのです。
ほとんど単独で行われた――フランシス・ベーコンの理想を受け継ぎ、衆知を集めんとして、ヨーロッパの全域を網羅し、また新大陸アメリカをも結ぶ最初のネットワーク構築による〈情報戦略〉――
王立協会の設立とオルデンバーグの〈情報戦略〉
http://theendoftakechan.web.fc2.com/nStage/Oldenbourg.html
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