2018年7月20日金曜日

古代のパワーライン(三輪山-初瀬山)

三輪山の山頂から初瀬山を望む 夏至の日の出ライン


―― おそらくは、三輪山の山頂から初瀬山を望むラインが、夏至の日を知らす自然の暦として、最初に利用されていたのではなかろうか。

 そう書いたのは、今月 3 日のことだった。
 14 日には、そのラインが示す角度の計算をした。

―― 計算の方法をかいつまんで、振りかえってみよう。
 まずは、初瀬山の山頂の座標の値から三輪山の山頂の座標の値を引いたうえで、見た目がわかりやすい数字になるように、両方に 1000 をかける。

34.54657 - 34.53518 = 0.01139
135.89402 - 135.86722 = 0.0268
0.01139 × 1000 = 11.39
0.0268 × 1000 = 26.8

 東西方向に 26.8 、南北方向に 11.39 の値が出たわけだが、東西方向の長さは、南北方向に対して、cos35° ≒ 0.819152 を考慮しなければならないので、

x = 11.39
y = 26.8 × 0.819152 = 21.9532736 ≒ 21.953

この長さの二辺をもつ直角三角形の角度を求めればよい。
 ● JavaScript による計算(四捨五入して、小数点以下第二位まで求める)
  〔 = Math.round(Math.atan2(11.39, 21.953) * 180 / Math.PI * 100) / 100; 〕

 こうして計算結果が出た。東北東に 27.42 度の角度だった。
 この地域の北緯は約 34.5 度であり、国立天文台編集の『理科年表』によれば、北緯 34 度の夏至の日の出は、北に 29.3 度の角度をもつ位置からだったので、単純に日の出を拝するこの数字と比較するなら、やや浅い角度であると認められる。

―― 以上の計算結果に加えて、各地点(座標間)の角度を求めるページを、その同日(14 日)に追加しておいた。
それによる計算だと、真東を 0 度、真北を 90 度(真南を -90 度)として、

 ※ 神武天皇陵から三輪山の山頂に向かう角度は、30.12 度であった。
 ※ 石見の鏡作神社から三輪山の山頂に向かう角度は、 -29.87 度であった。
 ※ 神武天皇陵から石見の鏡作神社に向かう角度は、90.11 度であった。

 なんとなく、この計算結果から、その三角形は限りなく正三角形に近いだろうことが予想できるのだけれど。―― 実際問題、計算式は正しいのか、地図上でも果たしてちゃんと正三角形なのかどうか。
 そこで、グーグルマップを利用して地図上にその三角形を描いたページを、角度計算とともに追加したのは、17 日のことだ。
 地図上に描かれた四角形が正三角形に見えるという見た目の見事さに、その結果をあわてて公開したのだけれど、あまりに急いで作業をしたために、このブログページと、グーグルサイトのページに、文脈の不一致たら誤植たら、はたまたマップが設定忘れで表示されていないたら、複数の不具合があらわな状態だったので、それらはとりあえず翌日までに修正してはおいたのだけれども、その過程でついでに思いついたこともあった。
 ようするに自身の書いた内容を事後に見直している途中で、角度の数値から三角形の内角を計算するのは少々面倒であることに気がついたのである。これは各辺の長さを直接比較できるようにしておいたほうがよいと。
 それで、三平方の定理で手軽にできる、選択した座標間のラインの長さを直角三角形の斜辺として算出する計算式を昨日までに追加しておいた。

 予想以上の結果が出たので、グーグルサイトのページに次の行を追加しておいた。

――〔追加行の開始〕――
 ※ 三輪山を東の頂点とする、三角形の各辺の長さは、
各辺とも約 8.34 キロメートルであることが、計算上の値として得られる。
 ※ グーグルマップの距離測定サービスでの値を参照したところ、
それよりも若干長くて、各辺とも 8.4 キロメートル前後であった。

 ※ いずれにせよ、各辺の長さはかなりの精度で、同じであることに変わりはない。

 ・北に、磯城郡三宅町石見の、鏡作神社
 ・南に、橿原市大久保町の、神武天皇陵
 ・東側に、桜井市三輪にある、三輪山の山頂
このラインを結ぶ三角形は、見た目と同様、測定上もほぼ正三角形であるといえよう。
――〔追加行の終了〕――

以上、前回までの作業を再確認したわけだけれど、実は今回の主題は、最初にも書いた、

おそらくは、三輪山の山頂から初瀬山を望むラインが、夏至の日を知らす自然の暦として、最初に利用されていたのではなかろうか。

という、仮説についてなのだ。
 この仮説が果たして実証可能かどうかは、そのラインが東北東に 27.42 度の角度だったということと、神武天皇陵から三輪山の山頂に向かう角度は東北東に 30.12 度であったという計算結果とが、どの程度一致しているとみなすかにもよるだろう。
 もうひとつ ――、神武天皇陵から初瀬山の山頂に向かう角度は東北東に 29.45 度であった。
 北緯 34 度の夏至の日の出は『理科年表』によれば、北向きに 29.3 度の角度をもつ位置からである。この数値は、神武天皇陵から初瀬山の山頂に向かうラインの角度とほぼ一致している。
 このラインが、まさしく、夏至の日の出の観測ラインの、基準線といえよう。
 そして、神武天皇陵から初瀬山の山頂に向かうラインを中心として、ほかのふたつのラインは、プラスとマイナスに分かれてそれぞれ若干の誤差がある程度だということが、これらの数値を合わせて考えることで、少なくとも認められる。
 これらのことから、三輪山をひとつの頂点とする三角形が正三角形であることと同等のレベルで、3 本のラインが示す値もまた、かなりの精度で一致していると主張したい。

 太陽が最強となる日に、三輪山の山頂(標高 467m 地点)の神坐日向神社から日の出を拝すれば、初瀬山の山頂(標高 548m 地点)よりも北側から朝日が昇ってくることになる。すなわち、光が最も強くなる日の前後は、太陽は初瀬山の山頂を通り過ぎた地点から昇る。
 おそらくは、三輪山の山頂から初瀬山を望む夏至の観測ラインは、古代に発見されたパワーラインとして、三輪王権の当初より利用されていたのではなかろうか。その延長線上に、神武天皇陵が位置する。


 さて、気のついた個所は修正済みの、前回と同じページにここでリンクを設けることとなる。

 グーグルサイトのページは地図と計算機能は独立しているのだけれど、バックアップページでは各種計算と地図にラインを表示する機能とが連動しているので、地図が表示されてなければ計算も機能しない。だから、地図が見えていない場合には、ブラウザの更新ボタンを押すなり、キーボードの F5 キーを押すなりして、ページの再読み込みをしてみてほしい。
 それで地図が表示されることもあるようだ。
 バックアップページで地図が読み込まれない際には、場所(座標)の一覧表付きの計算専用ページを利用すれば、計算結果は得られる。

纒向石塚古墳: 立春の祭祀遺跡
https://sites.google.com/view/geshi-lines/hijiri/makimuku


纒向石塚古墳: 立春の祭祀遺跡 バックアップ・ページ
http://theendoftakechan.web.fc2.com/eII/hijiri/makimuku.html


一覧表データの座標間の距離と角度を計算するページ
http://theendoftakechan.web.fc2.com/eII/hijiri/aCoord.html

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