副題が「サタンと闘争神話」という具合になっています。
〈サタン〉という語とその概念の成り立ちなどが、ヘブライ語の記述方式にまで触れて詳しく説明されており、われわれ一般人にも、非常に参考になります。
学術書としても、事実と推測とが区別して理解できるように、書かれていて、
――推測の屋上屋を重ねていく――よくある方式とは、まったく異なるように思われます。
そこに聖書の「歴代誌」が取り上げられていて、思想の変遷が物語られていきます。
「歴代誌」というのは、日本聖書協会の聖書では、旧約聖書の歴史書の最後に配列されています。
聖書の中でも、前のほうにあるイメージですが、世界の名著『聖書』の解説には、
「歴代志上下」と「エズラ記」「ネヘミヤ記」は紀元前四世紀、すなわちイスラエルの指導者がバビロンに捕囚されたという大事件ののちに書かれたもので、いかにして共同体を再建すべきかの顧慮に満ちている。
とあり、バビロン捕囚後の時代区分となっています。
世界の名著『聖書』の解説ではまた、聖書と教会との関係について触れてあり、
~~、これらはいずれもキリスト教会あるいはキリスト教徒のことであって、彼らによって聖書の精神が無視あるいは曲解されて、一部の人々の勢力を守るために他が犠牲にされた不祥事である。聖書と宗教体制としてのキリスト教会とを混同してはならない。
とありますが、最近では聖書の翻訳も体制という大人の事情に巻き込まれてきているようで、
上記のような混乱に拍車がかけられているのが現状かも知れません。
――〈敵する者〉とは、組織のことなのでしょうか?
告発者 〈サタン〉 の変遷
http://theendoftakechan.web.fc2.com/atDawn/Messias/enemy.html
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