2020年6月6日土曜日

円と楕円を計算する積分

 以前、「〈円の面積〉は《円周の積分》であるということ」(2020年3月10日火曜日)で、〝円周と面積のグラフ〟を作成して、〈面積を微分すると、円周を求めることができる〉、と書いています。
 これは正しく接線を描くため微分の学習を始めようとした際に、微分と積分の関係性をわかり易く捉えた具体例として、記憶に刻んだことでした。

 そのように、円の面積を半径で微分すると、円周になるわけです。
 そうすると当然、〈面積を微分すると楕円になる方程式〉も予想されるわけです。
 それを確かめるためには積分の基礎から確認していく必要もまた予想されるわけなのです。
 今回はまずは順序を追って、《円の面積を微分すると円周になる》ことの再確認から、積分が始動します。

 ⛞ 円の面積を微分すると円周になる
 というわけで、《円の面積》を微分すると、円周になります。
f (x) = y = a x 2
の微分は
f ´(x) = y´ = 2 a x
なので、
f ´(r) = S =[円の面積]= π r 2
として、r で微分した結果を L とすれば、
f ´(r) = L =[円周]= 2 π r
復習
◈ 関数 f (x) から導関数 f ´(x) を求めることを、f (x) を微分する、といいました。
   y  =  f (x) の導関数
f ´(x) ,  y´ ,    dy   ,    d   f (x)
   
 dx   dx 
▣    dy    =    d   f (x) = f ´(x) = y´
   
 dx   dx 
◈    d   f (x) は y  =  f (x) x で微分した形
 
 dx 
 ⛞ 微分すると f (x) になる関数を f (x) の原始関数 (primitive function) という
   F ´(x) = f (x) のとき、F (x)f (x) の原始関数または、不定積分 (indefinite integral) といいます。
 原始関数は、C という積分定数 (integral constant) を用いて
   f (x) dx = F (x) + C
 
 
と表され、この表し方を、f (x) の不定積分といいます。 は積分・インテグラルと読みます。
◈ 関数 f (x) の不定積分を求めることを、f (x) を積分する、といいます。
不定積分の公式
(ただし、n 0 または正の整数、C は積分定数。)
   x n dx =   1  x n+1C
 
 n + 1 
▣ 積分定数が必要であるのは、たとえば、
y = a x nb xc
の微分は、
y´ = n a x n-1b
となって、定数 c の情報が、微分によって失われるためです。
▣ 曲線が接線と接する点を接点といいますが、接線の傾き接点の座標の値が判明している場合には、積分定数の値も定まります。
 ⛞ 導関数 (derived function) の値がわかっているときに もとの関数を積分で求める
   積分定数の値を決定する条件を初期条件といいます。
▣  y´ = f ´(x) = 2 a xb
であるとき、
   f ´(x) dx = f (x) + C
 
 
であるから、
►  y = f (x) = a x 2b xC
◈ このとき、定数 a, b と接点の x, y 座標が確定すれば、C の値も定まります。
x =      y = 
a =     b = 
▸  C = ya x 2b x ≒ 
 ⛞ 定積分 (definite integral) の定義
   定積分では、引き算をすることで、積分定数 C が打ち消されます。
 
b
 f (x) dx = [ F (b) + C ] - [ F (a) + C ]
 
a
       = F (b) - F (a) = [ F (x) ] b
a
◈ ある区間で連続な関数 f (x) の不定積分のひとつを F (x) とし、a, b をその区間内の数とするとき、
F (b) - F (a)
を、関数 f (x) a から b までの定積分といって、次の式で表します。
 
b
 f (x) dx
 
a
▣ a を下端、b を上端といい、また記号を用いて
[ F (x) ] b
a
と表します。定積分は、面積の計算に使われます。

 例により、今回の JavaScript によるプログラムも、このページ内に同梱しています。

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