『ユークリッド原論』の邦訳を参照すると、その「第 1 巻」の最初の〈定義〉に、
- 点とは部分をもたないものである。
- 線とは幅のない長さである。
- 線の端は点である。
- 直線とはその上にある点について一様に横たわる線である。
などの、数学的な約束ごとが書かれています。
そこでいま一度、〈直線の定義〉であるところの、前提条件をよくよく考えてみると、その記述内容は必ずしも直線の方程式として、
ax + by + c = 0
と書かれた二元一次方程式の枠内にあるとは、限らないのではないか、ということなのです。このことについて、次のように書いたことがあります。
✥ かくして「定義 4.」によって、ユークリッドの〈直線の定義〉は「直線とはその上にある点について一様に横たわる線である」と、いうことになるのですけれども、そこでは平面図形を考察の対象としているからでしょうか、曲率(曲線または曲面のまがりの程度)がゼロであることが示されていないため、あろうことか、〈円周〉についても「その上にある点について一様な曲がりかたで横たわる線である」と、同様の表現ができることになってしまいます。
―― となればならぬか、「その上にある点について一様に横たわる線」がそのまま、ただちに《無限の長さ》をもつことにはならなくなってしまうのですね。
◯ ここで手もとの辞書に記述されている内容を、再確認しておきましょう。
『広辞苑 第四版』
ちょくせん【直線】
①まっすぐのすじ。まっすぐな線。②〔数〕終始同一方向をもつ線、二点間を最短距離で結ぶ線、n 次元空間内で助変数 t により座標が t の一次式 xi = ai + bi t (i = 1, 2, …, n ) で与えられる点 (x1, x2, …, xn ) の軌跡、などと定義される概念。ユークリッド幾何学においては、点・平面とともに基礎的な対象物、無定義用語として扱う。
ちょくせんきょり【直線距離】
二点を結ぶ直線に沿う距離。幾何学上の最短距離。◈ 辞書の説明にあるように、直線が「二点間を最短距離で結ぶ線」だとして、その座標が〝球面座標〟である場合を、地球表面の 2 地点を例に考えてみましょう。
たとえば飛行機が〝二点間を最短距離〟で飛ぼうとする際には、〝地球の中心と二点間を結ぶ線〟を想定して、その 2 つの線を含む平面で地球を半分に切った円を考えます。その円の円周をふたつに分けているふたつの地点を見て〝二点間の距離の短いほう〟が、〝二点間の最短距離〟になるので、その上空を飛べばいいわけです。
A ° || B °
[ ※ 上の図は球体ではなく、仮に、円を平面図形で表現していて、円周上の 2 点を A, B とします。円周の太線の部分を弧 AB といい、また線分 AB を弦 AB といいます。]
[ ※ 下の図の円は、弦 AB の長さを直径としています。参考として、弧 AB と同じものも描いています。]
◎ そしてこのとき〝二点間の最短距離〟を一部分として含む「二点間を最短距離で結ぶ線」のすべては、その円の円周上の点の集合となりますので、さてこそとばかりにいくら、無限に伸ばそうとしてもいかんせん有限な長さとなってしまい、ようするに無限ではなくなるのです。
―― 前回分も合わせて、各種資料を参照・引用したページを、以下のサイトで公開しています。
※ コピペしてそのまま使える、JavaScript の見本をテキスト化して掲載しています。
JavaScript / 直線の傾きとベクトル方程式
http://theendoftakechan.web.fc2.com/eII/hitsuge/arcus/vector.html
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