――ダブリュー・エッチ・オー (World Health Organization) ――
の紋章は、「杖に巻きついた蛇」の図案が採用されています。
記者会見の会場には、背景となる壁にその紋章が描かれているはずです。
この「蛇が巻きついた杖」は、ギリシャ神話に登場するアスクレピオスの杖を意味します。
アスクレピオスを医学の祖とする、古来からの言い伝えがもととなって、
彼の杖が、医療のシンボルとなっているのです。
そもそも蛇は、歴史の黎明期以来、〈いやしのシンボル〉であり、それは〈生命の象徴〉といえます。
また、〈知恵の象徴〉でもあり、それは聖書でも同様です。
聖書で最も有名な〈蛇〉は「創世記」に登場するものでしょうが、その次に有名なのはやはり、
「ヨハネ黙示録」で〈古き蛇〉と称される〈サタン〉のことになりましょうか。
そこから、堕天使伝説が膨らんで、都市伝説として流布していくことにもなります。
――その天使たちの伝説と、聖書の《神》がひとの間に送り込んだ〈火の蛇〉の伝承は、
なにやら関係がありそうです。
実は、「出エジプト」の流浪の旅の最中に《神》の怒りが〈火の蛇〉となって、ひとびとを襲います。
モーセの祈りによって、《神》はモーセに「死を免れる法」を伝授します。
思わず知らず、『風土記』にある〈ムタ神〉の伝説を思い出しておりました。
それは日本では「茅(ち)の輪くぐり」の起源神話ともなっています。
「備後国風土記」逸文
☆疫隅の国つ社 [えのくまのくにつやしろ] 蘇民将来 [そみんしゃうらい]
(前田家本『釈日本紀』巻七「素戔嗚尊乞宿於衆神」条)
――『聖書』の伝承に戻りますと。
《神》の指示によって、モーセは「青銅の蛇」をこしらえ、
それを仰ぎ見たひとは〔蛇に咬(か)まれても〕生きながらえることになります。
なんと! 『聖書』でも、〈蛇〉は〈いやしのシンボル〉でありました。
そして、〈火の蛇〉という、その災厄を送り込んだのが《神》自身であることもまた、事実なのです。
――で。〈火の蛇〉といえば、天使〈セラフィム〉のことでもあります。
さらには、なんとっ!!
新約聖書では、この〈蛇〉はイエスと同一視されているようです。
〔「ヨハネによる福音書」第 3 章 14 節〕
そうしますと……。WHO の紋章に劣らず、キリスト教でその象徴としての〈蛇〉は、
天使〈セラフィム〉も〈蛇〉なら、悪魔〈サタン〉も〈蛇〉、そして《神》の独り子である〈キリスト〉もまた〈蛇〉という次第とあいなりまして……
― 火の蛇 ― の伝説 と〈 angelos 〉
http://theendoftakechan.web.fc2.com/atDawn/Messias/angelos.html
0 件のコメント:
コメントを投稿