〈 Sumer 〉 が日本ではなぜ「シュメル」ではなく「シュメール」と表記されるようになったのか、
はじめに、説明がありました。それは、
第二次世界大戦中に流布(るふ)した俗説との、混同を避けるための策としての歴史があります。
そうして「シュメル」の歴史が語られていくのですが、
その中に、〈蛇神ニンギシュジダ〉の前身でもあったと、考えられている、
「異形のもの」ムシュフシュについての、記載がありました。
グデアがニンギシュジダ神に奉献した鉢には二頭のムシュフシュが左右対称に向き合い、真ん中に二匹の蛇が絡みあった図像がある。この二匹の蛇が絡みあった図像をカドゥケウスと呼ぶ研究者もいる。カドゥケウスつまり二匹の蛇が絡みついた杖といえばギリシア神話に登場するヘルメス神の持ち物(アトリビュート)を指す。
〔『シュメル ― 人類最古の文明』(p.235) 中公新書 2005 年〕
さて前回、WHO の〈蛇〉の紋章について、
この「蛇が巻きついた杖」は、ギリシャ神話に登場するアスクレピオスの杖を意味します。
と、紹介させていただいたところであります。
今回は、〈蛇〉がダブルで、
二匹の蛇が絡みついた杖といえばギリシア神話に登場するヘルメス神の持ち物、
ということとなりまして……、
〔参考〕 → アスクレピオスの杖 - Wikipedia
はてさて、いずれにしても、いままでのお話しからすると、
シュメル版の〈蛇〉のオリジナル性は疑う余地はありませぬ。
また「ギルガメシュ」の物語などと「神武東征」あるいは「日本武尊 [ヤマトタケルノミコト] 」の
日本神話との近似性も、否定はできないものがありまするので、『ギルガメシュ叙事詩』を読めば、
「スメルのみこと」説も、沈黙したままではいられなさそうなのです……。
そういうわけで、このたびは、シュメルにまでさかのぼり、
記録された神話の最初ともいえる時代の、文明の暁の星から、繙(ひもと)かれてまいります。
〈 Sumer 〉神話の源流
http://theendoftakechan.web.fc2.com/atDawn/Messias/Sumer.html
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