前回(2021年12月25日土曜日)には「ミトラス教と冬至の救世主伝説とマギ」として、次のように書きましたが……。
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その昔、ローマ帝国では、
274 年に、アウレリアヌス帝が太陽神の宗教を国教化し、
12 月 25 日「不敗なる者の生誕の日」(Dies Natalis Invicti) が国の祭日とされて、
これが、クリスマスの起源となりました。
そして紛れもなく、クリスマスの日付設定には、ミトラス教の太陽神の誕生日が用いられているということなのです。
◎ ここでマギの立場を考慮するなら、救世主として、ミトラ神を想定していたようでもあります。
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とかいうわけで。
救世主伝説はどうやら、キリスト教よりも先に、ミトラス教で盛んだったようです。
⛞ また以前にも触れたことがあるのですけれども、そもそも、旧約聖書時代の(ユダヤ教の)救世主伝説というのは、ペルシャの王から始まったようなのです。
『聖書 新共同訳』
旧約聖書「イザヤ書」
45. 1
(p.1135)
主が油を注がれた人キュロスについて
主はこう言われる。
『新共同訳 旧約聖書注解Ⅱ』
〔1994年11月20日 日本基督教団出版局/発行〕
「イザヤ書」 注 解
四四・二四-四五・一三 キュロスによる解放
(p.337)
このうち特にキュロスに対して四五・一では改めて《油を注がれた人〔マーシーアハ〕》という呼称が与えられ、その戦勝が約束される。マーシーアハは新約聖書ではメシアースと音訳され(新共同訳は《メシア》)、キリストを指す(ヨハ一・四一、四・二五)が、旧約聖書では終末論的救済者を表すことはない。むしろ現実の王(サム上二・一〇、一二・三、五、詩一八・五一など)、祭司(レビ四・三、五、一六など)、預言者(詩一〇五・一五)などの称号である。
『歴史学事典』【第 11 巻 宗教と学問】
〔平成16年02月15日 弘文堂/発行〕
(P. 635)
メシア
[ヘブライ] māšîaḥ [希] Christōs
メシアとは、ヘブライ語聖書(旧約聖書)で頻出するヘブライ語「マシーアハ」に由来する言葉で「油注がれた(人あるいは物)」を意味する。七十人訳ギリシャ語聖書では「クリストス」となる。また、ヘブライ語の音表記をそのままギリシャ語に用いた例として、新約聖書の『ヨハネ福音書』で、最初の弟子がイエスをメシアと呼ぶ記述がある (1 : 41)。この語の元来の意味は、古代イスラエルにおいて、何らかの人や物を神聖なものとして公共の目的のために聖別する儀礼において、その人や物にオリーブ油を注いだことを指す。
―― その他の資料を参照・引用したページを、以下のサイトで公開しています。
http://theendoftakechan.web.fc2.com/eII/amrta/messias.html
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