比較すれば一目瞭然ですけれど、《黄金螺旋》は実際には足し算ながらも指数関数的に円が巨大化していくのですが、《アルキメデスの螺旋》は単純に足し算で円が拡大するわけです。
⛞ 黄金螺旋を描く正方形の面積の計算
◎ フィボナッチ数列 { Fn } の定理のひとつに、次のものがあります。F12 + F22 + F32 + …… + Fn2 = Fn Fn +1
この定理の証明は、数学的帰納法によって行われます。数学的帰納法というのは名称が紛らわしくて、実際のところ、通常の帰納法ではなく、演繹に近い方法で証明が行われます。手順としては、
① その定理が、自然数 n のときに成り立つと仮定する。
② その定理が自然数 n + 1 のときに成り立つかを確認する。
ようするにその定理が、自然数 n のとき成り立つ際に、自然数 n + 1 の場合でも同時に成り立つならば、その定理はすべての自然数 n のときに成り立つと、数学的にみなされるわけです。
✥ この定理を図示すれば、
第 9 項までで、次の通りとなります。
【参考】〈フィボナッチ数列〉第 10 項までの数値第 9 項までで、次の通りとなります。
1, 1, 2, 3, 5, 8, 13, 21, 34, 55
◎ 第 0 項までの 螺旋 描線選択 (「螺旋 描線選択」に〝アルキメデス〟とあるのは、
オプションとして《アルキメデスの螺旋》の見本です。)
オプションとして《アルキメデスの螺旋》の見本です。)
Archimedes spiral : r = θ (radian)
● このようにして描かれる《黄金螺旋》は、《対数螺旋》にうまく近似しているといわれています。
《対数螺旋》は《等角螺旋》ともいわれ、自然界に観察される例としては「飛んで火に入る夏の虫」とか、前々回に見た、いわゆる「ヒマワリの種」(実は種ではなく花のほうが的確らしい)によって描かれる螺旋の形などが有名です。
◎ 対数螺旋への旅は今後の課題として、ここでは「黄金螺旋を描く正方形の面積」を計算しておきましょう。
◈ まず、前提として、
( 55 ÷ 34 ) は φ の近似値 [ 55 ÷ 34 = ]
なので、その形を見本として、図に示した長さの関係性から、計算を開始します。▣ 四角形 ABCD が【黄金長方形】のとき、
AB : BP = BC : AB となるわけです。
したがって、x = (φ - 1) として、演算すると、1 : x = (x + 1) : 1 なので、
1 | = | (x + 1) | |
x | 1 |
1 = x2 + x
∴ x2 + x - 1 = 0
● この方程式を、2 次方程式[ ax2 + bx + c = 0 ]の解、x = | - b ± √ b2 - 4ac |
2a |
x = | - 1 + √ 12 + 4 | = | - 1 + √ 5 |
2 | 2 |
► 黄金数の 2 乗(自乗)【前回の復習】
φ2 = | (1 + √ 5 )2 | = | 1 + 2 √ 5 + 5 |
22 | 4 |
= | 6 + 2 √ 5 | = | 3 + √ 5 |
4 | 2 |
= 1 + | 1 + √ 5 | = |
2 |
⛞ 黄金数の逆数
φ-1 = | 2 | = | 2 (√ 5 - 1) |
1 + √ 5 | (√ 5 + 1) (√ 5 - 1) |
= | 2 (√ 5 - 1) | = | √ 5 - 1 | = | - 1 + √ 5 |
5 - 1 | 2 | 2 |
= - 1 + | 1 + √ 5 | = |
2 |
▶ 黄金数の逆数の 2 乗(自乗)
φ-2 = | (- 1 + √ 5 )2 | = | 1 - 2 √ 5 + 5 |
22 | 4 |
= | 6 - 2 √ 5 | = | 3 - √ 5 | = 1 + | 1 - √ 5 |
4 | 2 | 2 |
= 1 - | - 1 + √ 5 | = |
2 |
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JavaScript: 黄金比 φ と黄金螺旋
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